まず、皆さんはポータブル電源のことをちゃんと見れているでしょうか?
最近、ポータブル電源はキャンプの用途でも、防災という用途でも注目が集められるようになってきました。
そしてその市場は着実に広がってきています。
メーカーも種類も豊富になってきたので、選ぶのが難しくなってきてますよね。
ポータブル電源はネット上の通販サイトで買うことがほとんどなため、自分の目で見て判断するの余計に難しくなっています。
しかし、ポータブル電源はその役割や値段からも期待外れのモノは買いたくないですよね。
そんなポータブル電源を選ぶ際に少しでも皆さんのお役に立てればということでこの記事を書いていますので、購入の際に参考にしていただけると幸いです。
では今から、過去に使用したことのあるポータブル電源を紹介していきたいと思います!
私がいままで使用してきたのは、以下のポータブル電源になっています!
・「LACITA ENERBOX」
・「SmarTap PowerArQ」
・「Jackery ポータブル電源 400」
・「Anker PowerHouse」
ポータブル電源の界隈ではかなり有名どころを試してきましたが、いろいろ使ってみて感じたことを書いていきたいと思います!
まずは基本的な情報(製品仕様)を載せていくので、ご覧ください。
各ポータブル電源の製品仕様一覧
商品名 | 容量 | 最大出力 | 出力波形 | 内蔵バッテリー | サイクル数 | サイズ(mm) | 重さ | 価格(Amazon) |
ENERBOX | 444Wh | 400W | 純正弦波 | リチウムポリマー | ≧500 | 303✕134✕184 | 約5kg | ¥55,800 |
PowerArQ | 626.4Wh | 500W | 純正弦波 | リチウムイオン | ≧300 | 300✕193✕240 | 約6kg | ¥66,000 |
ポータブル電源 400 | 409.5Wh | 200W | 純正弦波 | リチウムイオン | ≧500 | 230✕133.2✕167.3 | 約3.4kg | ¥38,080 |
PowerHouse | 434Wh | 120W | 純正弦波 | リチウムイオン | ≧400 | 200✕165✕154 | 約4.2kg | ¥49,800 |
容量に関してはPowerArQが突出していますが、基本的に400Wh台のもので比較出来ます!!
変換効率等もありますが、大体容量的には同じなので、それぞれを簡単に比較していきます!!!
最大出力
容量に対する最大出力では、ENERBOXが突出しているのがおわかりかと思います。
実際に使ってみましたが、この数値より少し多い415W程度を必要とする電気ポットでお湯を沸かせることが出来ました!
ENERBOXの瞬間最大出力は600Wになっていますし、出力に関してはENERBOXはかなり優勢なのかなという感じです!
実際使ってみて残念に感じたのはPowerArQでした。
ENERBOXよりも容量・最大出力共に大きいはずですが、実際に使ってみると、ENERBOXでは使用できた電気ポットが使えなかったので、悪い意味での驚きを感じました!
出力波形
出力波形に関しては、全て純正弦波のものを使用しました。
ポータブル電源に用いられる出力波形には純正弦波と擬似正弦波があります。
詳しい違いはここでは説明しませんが、この波形の違いは使えるものに関連してきます。
純正弦波は一般家庭のコンセントから出力する波形と同じモノで、擬似正弦波は出力が不安定な波形になっていて一部電化製品は使えないモノが出てきます。
擬似正弦波で使用できる製品の例としては、単純な作りの電子レンジや炊飯器、白熱電球などになります。
内蔵バッテリー
上に並べたポータブル電源のほとんどがリチウムイオン電池を使用しています。
市場に出回っているポータブル電源はりちリチウムイオン電池を採用しています。
唯一目を引くのがENERBOXに採用されているリチウムポリマー電池になっています。
簡単に言えばリチウムポリマー電池はリチウムイオン電池の進化版のようなイメージで出力・変換効率・安全性ともに優れています。
欠点としては、コストがかかることがあげられます。
その価格の違いなども記事の後半で見ていきたいと思います。
出力ポート数
商品名 | AC出力(コンセント) | USB出力 | DC出力 |
ENERBOX | 3つ | 3つ | 1つ |
PowerArQ | 1つ | 3つ | 1つ |
ポータブル電源 400 | 1つ | 2つ | 1つ |
PowerHouse | 1つ | 4つ | 1つ |
出力ポート数は同時にどれだけの電子機器を使えるかなどに関わります。
災害時などには1度に多くの携帯が充電できた方が効率が良いですよね。
大人数でキャンプなどに行くときにも、多い方が良いと思います。
AnkerのPowerHouseが唯一USB出力に力をかけていて、4つもUSB出力ポートがあるのはとても魅力的な点ですね!
電子機器に強いAnkerらしさが出ているのではないでしょうか?
サイクル数
サイクル数は多ければ良いというわけではありません。
容量というより、取り出すことができる電気の大きさ、実際に使える電気の大きさが重要になってきます。
要するに、変換効率が高く、サイクル数が多いポータブル電源は長持ちしやすいといえるでしょう。
ただ、電池は経年劣化がありますので、変換効率が高くサイクル数が多いからといって、それを使い果たすまで使用できるわけではないことをご理解ください。
サイズ・重さ
サイズや重さは、電池の容量に比例してきます。
上の表を見ていただいてもわかると思いますが、PowerArQが一番重くなっています。
ただ、今回紹介するポータブル電源の中でJackeryのポータブル電源 400に関してはかなりコンパクトな印象を受けました。
梱包してある箱を含めても一番サイズ的にも重さ的にも軽量だったので、収納スペースなどを気にされる方にはとてもおすすめできるモノかなと思います。
価格
価格はAmazon通販サイトを参考にしました。
¥38,080~¥66,000と幅広い価格帯になっていますが、安い買い物にはなりませんね。
実際に購入される際にはしっかりセール情報なども見て買うと良いと思います。
PowerArQは容量が大きいので、その分高くなるのはわかりますが、容量が似たもの同士でこれだけ価格が変わるのにはもちろん理由があります。
ENERBOXが割高になってしまっているのは、採用しているリチウムポリマー電池はリチウムイオン電池と違いコストがかかってしまうからです。
変換効率
いろんなポータブル電源を使用していく中で、その製品がどれぐらいの変換効率なのか試してみました。
変換効率はこの記事の最初にも書いたように、そのポータブル電源の電池から実際に取り出すことの出来る電力の大きさに関わってきます。
各メーカーが発表している数値にはなりますが、実際のところどうなのかは気になりますよね。
なので、メーカー側から発表されている変換効率の数値と私が試して感じた大体これぐらいなのではないかなという数値の比較表を下に貼ってみますのでご覧ください。
商品名 | 変換効率(メーカー) | 変換効率(試してみて) |
ENERBOX | 約95%(※) | 90%以上 |
PowerArQ | 約85% | 約70~75% |
ポータブル電源 400 | 約85% | 約85~90% |
PowerHouse | 約80~85% | 約80~85% |
※合計100W以下使用時。
いかがでしょうか?
各商品に関して少しだけコメントさせていただきます。
まず、「LACITA ENERBOX」に関しては他の商品よりもこの点に関して優れていると言えます。
これは使用している電池が三元系リチウムポリマー電池だからだと思います!
現在市場に出回っているポータブル電源のほとんどがリチウムイオン電池を搭載しているので、変換効率という点はENERBOXの強みといえるのではないでしょうか?
次に、「SmartTap PowerArQ」に関してですが、これは期待外れな結果となりました。
5%ぐらい変わるのはしょうがないかなと思うのですが、これだけ離れてしまうのはあんまりよろしくないなぁという気持ちです。
もちろん、私のやり方が100%正しいわけではないので、私の数値が間違っている可能性もあります。
次に、「Jackery ポータブル電源400」に関しては、期待以上の結果なのではないでしょうか?
非常に出力が安定しており、かつリチウムイオン電池の中でも高めの変換効率になります。
最後に、「Anker PowerHouse」に関してですが、これはメーカーの提示通りの結果となり、特にこれと行ったこともなかったので、そのままにしておきます。
変換効率に関して、電池の違いからENERBOXが一歩リードしているので、変換効率、簡単に言えば取り出せる電量の大きさを重視して考えるのであれば、「ENERBOX」が一番オススメできるものになります!
それぞれの商品のものたりないところ
ここでは、実際に使ってみた中でこの商品はここがもう少し改善されれば良いなという物足りなさをまとめていきます!
「ENERBOX」に関しては、電池残量の表示がLEDインジケーターの5段階表示しかなく、電池残量があと何%かわからないし、出力W数がわからないところです。
これは、やっぱり使っていく上でどれぐらいつかえるのかの概算をぱっと出来ないので、使っていたのにいつのまにか電池切れになってしまっていたということになりかねないなと思いました。
「PowerArQ」に関しては、ファンの音と出力W数がわかりにくいところです。
今回紹介させていただいてるポータブル電源の中で一番ファンの音が気になりました。そういう音などに敏感だったりする方にはオススメ出来ないです。
出力W数がわからないというのは、もしかしたら私が使っている商品が変動しやすいモノなのかも知れませんが、頻繁に変わるので、わかりにくいなぁというのが印象でした。
「ポータブル電源 400」に関しては、ファンの音がAC出力をオンにした際に多少聞こえる程度で他にとくにマイナスだなと感じることはありませんでした。
「PowerHouse」に関しては、最大出力の小ささと差し込み口の緩さだと思います。
各商品の最大出力を見てもらったらわかると思いますが、この商品が他と比べて小さいのがおわかりかなと思います。
最大出力が小さくなると、使える製品の幅が狭くなってしまうのでよろしくないかなと思います。
差し込み口の小ささに関しては、Amazonのページを見ていた際にそういうレビュー見受けられたので、他の製品と比べたのですが、確かに少し緩いと感じました。
何かの拍子に抜けてしまうなんて事も可能性として考えられます。
最後に共通してポータブル電源に言えることなのですが、充電する際に使う充電器が異様に熱くなります。
使う電力が多きのかも知れませんが、3秒以上にぎれないのでとり扱いには注意が必要です。
とけやすいものとかの上にはのせない方が良いでしょう。
4つのポータブル電源を勝手にランク付け
使ってみた中で私が個人的にランキングをつけてみたので、もしよければご覧ください!
個人的な見解ですので、選んだ商品とその理由を少しずつつけてあります。
皆さんの購入の一助となれば幸いです。
第1位 Jackery ポータブル電源 400
正直、2位のENERBOXとどっちにしようか迷いましたが、結果的に1位にしたのはこちらの方です。
なぜJackeryのポータブル電源 400を選んだかというのは、何かが突出してすごいわけではないですが、ほとんどの面で他の商品に劣らないことが理由として挙げられます。
例えば、コンパクトで持ち運びしやすいということであったり、液晶が見やすいということであったり、使ってるときにファンの音が気にならなかったりということです。
平均値が高く、誰が使っても使いやすい仕様になっているなという風に感じました。
ちょっとしたお出かけでも、がっつりキャンプでも、おしゃれキャンプでもどんな場面にも使えるとってもいい商品だと思います!
若干ポート数の少なさが気にかかりますが、その点は目をつぶっても良いと思います!
このパフォーマンスも持ちながら一番コストもかからないので、やはりその点がいろんな人に使われやすい理由なのかなと思います!
そしてJackeryのポータブル電源には、上から1000Wh、700Wh、400Wh、240Whと4種類もありますので、購入する際は容量の大きさも気にしてみると良いと思います!
第2位 LACITA ENERBOX
1位のポータブル電源とどちらにするか迷った理由としては、ENERBOXのスペックの高さにあります!
ENERBOXといえば、ポータブル電源の中では珍しいリチウムポリマー電池を採用しているということもあり給電効率(変換効率)はピカイチです!
そして最大出力も400Wなので、一般的な400Wh台の中では一番良いと思います!
そして、出力ポートの数が多いというのも良い点だなと感じました!
ただ、1位のポータブル電源 400と比べると、コンパクトさや重さ、そして電池残量表示といった面で劣ってしまっているなと感じます。
性能自体はかなり良いので、性能重視で選ばれるならENERBOXが良いと思います!
個人的な意見ですけど、見た目とかも含めてしっかりめなので、がっちりしたキャンパー向けなのかなと思いますね。
業界初防水規格IP-44を搭載した防沫版にあたる「ENERBOX-sp」も販売されているようなのでそちらもチェックしてみてください。
第3位 Anker PowerHouse
3位には、AnkerのPowerHouseを選ばせていただきました。
PowerHouseのよさとしては、見た目の高級感と、液晶の綺麗さ、そしてUSB出力ポートの多さではないでしょうか?
給電効率なども決して悪い数値ではなく、メーカーが発表している80%前半ぐらいなので、その点も悪くないと思います。
ただ、USBにしてもAC出力のところにしても、若干差し込みが他社の機種に比べて緩いかなというのは感じました。
USB出力をたくさん使いたいという方にとってはとてもお勧め出来る商品かなと思います!
第4位 SmartTap PowerArQ
今回紹介させていただくポータブル電源の中で一番大容量なものになります。
なので、実際に使える時間などは400Wh台の商品と比べてながくなると思います。
ただ、個人的には期待外れだったかなと言うのが正直なところです。
変換効率もよくなければ、使用中や充電中のファンの音もかなり気になりました。
そして液晶も見やすいわけではなくせっかくの大容量なのに台無しだなと思いました。
出力ポート数も400Wh台と同じくらいで、大容量であること以外あんまりオススメはできない商品だと思いました。
ただ、「PowerArQ2」や「PowerArQ mini」も販売されており、「PowerArQ2」の方にはポータブル電源には珍しいワイヤレス充電機能も付いているそうなので、機能の改善に期待しつつ、もし手に入れば紹介したいなと思います!
たくさんのポータブル電源を使ってみて
今回は、たくさんのポータブル電源を使ってみてどの製品がどのように良いのかというのを紹介させていただきました。
いかがだったでしょうか?
今は情報を入手するのにスマートフォンやPCなどが必須な時代になり、災害時を含めて電気というのはとても重要な時代になってきています。
そして電気を持ち運べるように、モバイルバッテリーなどもふえていますよね。
そんななかで、モバイルバッテリーよりも大容量でかつ持ち運びができる。
そして、ソーラーパネルや車のシガーソケットからも充電が可能なポータブル電源はどんどん必要とされてくるでしょう。
ちょっとしたお出かけやキャンプ、そして災害時の備えとしてもかなり役に立つモノだと思います。
いろんな製品を使ってみて、それぞれについても書きましたが、それをまとめて比較してみましたので、より皆さんが購入する目安にはなったのではないでしょうか?